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対人恐怖症の副作用「他人からの誹謗が人を殺す」

お久しぶりでいきなり、今までの記事には無いタイトルと内容ですね。

今日は漫画一切関係なし。ある意味、ブログらしく自分の事を書きます。


対人恐怖症、社会不安障害と分けたりすることもあるそうですが、呼び方はどうでもいいです。

私は7年前に『それ』になり、6年前から専門医による治療を始め、今もその状態は続いています。


『対人恐怖症』これ、どんな病気なんでしょうか?

読んで字のごとく、人に対すると恐怖を感じる。そんなイメージが沸くのではないでしょうか。

大体その通り、らしいです。


「らしい」というのも、私は人と話している時に恐怖を感じません。

読んで字のごとく、のタイプでは無いんですね。

じゃ、私の症状はどんなものなのか。

病気に限らずどんな事でもそうですが、一度経験しないと経験者のことはわからないものです。

というわけで読んでいる人にもわかるように、以下、私の『対人恐怖症』について。



どういう時に症状が起きるのか。

 街や会社で人とすれ違う時。

 大勢の人がいる環境に居るとき。電車、バス、街道、学校、会社、スーパー、飲食店 等。

 ある種の誹謗を受けた時。どんな誹謗か?については後述します。


どういう時に症状が起きないのか。

 人と話している時。

 他人がいない環境に居るとき。

 仕事など、一つの事に集中しているとき。


症状って何なのか。

 赤面。これは最近あまり起きません。

 筋肉の緊張。顔の筋肉に顕著に現れて表情が変わるので、他人から見てもいつもと違うことがわかります。

 思考が閉塞する。もうだめだ、とか逃げ出したい、という強い気持ちが続きます。世界が狭く感じます。

 世界がぐらっと揺れる感覚。頭が真っ白になる。これらは、特に症状が悪いときだけ起きるみたいです。


なぜ症状が起きるのか。

 自分でもわからない場合。これは、大勢の人がいる環境で起きることが多いです。

 自分でわかる場合。これは、ある種の誹謗を受けた、あるいは受けるかも知れないと思ったとき。

 恐怖は感じない場合。じゃ、何?というと、心は大丈夫でも体に症状が現れることがあります。



以上が私の『対人恐怖症』についてでした。

皆さんが想像する対人恐怖症と大体合っていましたか?


さて、症状が起きると何が問題なんでしょうか。


まず、筋肉の緊張が気になって作業に集中できなくなります。

人と目を合わせるのがとても嫌になります。

人に見られるのがとても嫌になります。

すると、会社では片手を顔に当てて隠し、できるだけ人のいない方向を見るようにして仕事をすることがあります。

両手を使わないため仕事の効率は下がります。

パソコンのディスプレイの向こうに人がいると うつむきがちになり、

さらに集中力も無くなるためミスが増えます。

これらの問題は、「社会に与える問題」です。


じゃ、電車の中なんかでは社会に影響がないから問題ないのかというと、本人的には大問題です。

顔の筋肉が緊張する、すなわち、表情がこわばる。ひきつる。

すると、外見はどうなるか。

口の周りの筋肉が緊張すると、口の両端が下がる、あるいは上がります。

これ、他人から見ると「泣きそうな顔」あるいは「にやけている顔」になるんです。

特に何か言われたわけでもないのに、泣きそうな顔をしている。

特に面白いことがあるわけでもないのんい、にやけている。

普通の感覚だと、そういう人は「気持ち悪い」ですよね。

そして、普通の人だと、それを口に出すことがあります。前述した『ある種の誹謗』です。


「何笑ってんだろ、キモイ」「あいつ泣いてるぜ」


こういう言葉を受けると、症状が出ている当人はどう思うか。

 そんな酷いこと言われるのは悲しい。自分はそんな顔してるつもりはないのに、悔しい。

 なんで他人にこんなこと言われなきゃいけないのか。腹立たしい。

これが、「症状が起きている当人に与える問題」です。



でも、他人は当人が対人恐怖症など知ったこっちゃないので口に出すのをやめません。

通勤列車などで何度もその症状を見かけた人は、更にこんなことまで言い出します。


「身障(身体障害者を見下す時によく使われる略語ですね)」「消えろ」「死ね」


これ、一人は1度しか言わなくても、この言葉を受ける当人は毎日違う人間から言われています。

毎日「死ね」とか「気持ち悪い」と言われるわけですね。

当然、言っている人にとってはそんなことも知ったこっちゃないので、やめません。


人は見かけによらない、とはよく言ったもので、誰が誹謗を発するかは想像がつきません。

 学生は小学生から大学生まで。会社員。老人。


この状況になると、道で他人とすれ違うだけで恐怖を覚えるようになります。

すると、人が近づくにつれて筋肉が緊張、すなわち表情がこわばるんですね。


 症状が起きるのを恐れる→症状が起きる→誹謗を受ける→更に症状を恐れる・・・


悪夢のようなスパイラルです。まぁ、症状が起きている当人にとってだけですが。


更に、悪夢は続きます。

「人の噂も七十五日」という諺はご存知でしょうか?

人に悪い噂をされると辛いけど、それも七十五日もすれば忘れ去られる というような意味だったはずです。

対人恐怖症になる前は、なるほどこの諺の通りだ、と思っていました。

私も、他人に関する噂は七十五日もすれば忘れています。


が。


噂は、人から人に渡り歩いていきます。兄弟、友人、親子、同僚。

 「にやけてるキモイ奴」「身障」「理由もなく泣いてる」

これらが、症状を見たことが無い人にも伝わります。

そして、諺の通りであれば、それは長くて七十五日も続くのです。


最初に症状が出たとき、私を誹謗する人の年齢層は同世代が主でした。

それが、今では小学生から老人まで、全ての世代にそういう人がいます。


毎日、「死ね」「身障」「キモイ」「消えろ」と言われたらどうですか?


耐え切れなくなるかも知れません。

死にたいと思ったこともあります。殺したいと思ったことはもっとあります。

ですが、どちらも理性の強さ故、勇気が無かった故、実行できていません。

しかし。

いずれ、死ぬかもしれません。殺すかもしれません。私以外の対人恐怖症患者で、そういう結果を選んだ人がいます。


これが、タイトルの「他人からの誹謗が人を殺す」すなわち、対人恐怖症の副作用です。

あまりにも重過ぎる副作用です。


当人の症状が治ったとしても、噂は最長七十五日持続しながら人から人へ渡り歩いていくのですから。



現在、私の症状は初期に比べてだいぶ軽くなっています。

しかし、他人からの誹謗は初期に比べてエスカレートしています。



私は、他人を誹謗するのは「普通の人」にとっては「普通なこと」と思っています。

誹謗している人を許すわけではありません。殺してやりたいです。



ただ、病気なのに誹謗するなんて許せない、あるいは単に誹謗が許せない、と言う人は、

自分はどうか?と一度思い返して欲しいです。他人を責める前に。

私自身、発症する前、中学生の頃、「気持ち悪い」と避けられていた人を、一緒になって避けていたことがあります。


多くの人は、気付いてからではもう手遅れです。

何らかの形で他人を傷つけていない人は稀です。


でも、気付くことはできます。

お願いです。気付いてください。

「それが普通」だからといって、傷つけないでください。お願いします。

私も発症してから気付き、傷つけないように努力しています。遅いとは思っています。

でも、お願いします。 どうか、お願いします。
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マイク

似たような症状に悩むものです。
全くこのブログのエントリーの通りですね。
by マイク (2009-08-23 05:14) 

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